ポルフィリン異性体とその金属錯体

ポルフィリンは、血液に含まれるヘモグロビン中のヘムとして酸素運搬を行ったり、植物の葉緑体の一部であるクロロフィルとして光合成中心の重要な役割を担うなど、自然界に広く存在する色素であり、人工的にも非常に多くの類縁体が合成され、機能性化合物として研究、応用がなされています。

ポルフィリン異性体

 

そのポルフィリンの構造異性体の一つが「ポルフィセン」です。ポルフィセンは、ポルフィリンと比べて、可視光領域の大きな吸収帯を有し、高い発光特性を示すことから、新規な機能性色素としての応用が期待されます。また、LUMOが低下していることによって分子骨格が還元されやすく、電気化学的にも興味深い物性を示します。

ポルフィセンの特性

ポルフィセンは種々の金属と錯体を形成し、特異な酸化還元特性や触媒活性を示します。これまでの研究では主にその構造と基礎物性に焦点が当てられてきましたが、近年では光線力学療法への応用や触媒としての利用についても検討が進められています。

ポルフィセン金属錯体の化学

 

ポルフィセン金属錯体では、金属上の軸配位子が置換活性な錯体があり、配位子を選択することにより電気化学的性質や光化学的性質のチューニングが可能です。また、配位子の開裂反応を利用した触媒反応の開発なども行っており、金属錯体の酸化還元と組み合わせることによりユニークな反応が進行することを明らかにしています。

ポルフィリン金属錯体の光誘起軸配位子開裂反応