超分子集積化技術を用いた革新的光エネルギー変換材料の開発

新しい機能性色素の開発を目指した多成分分子パズルの開発

光エネルギーや電気エネルギーを効率よく吸収し、新たな光エネルギー(紫外線、可視光線、白色光、近赤外光など)へと変換することのできる有機色素は、機能性有機色素と呼ばれ、照明材料・表示材料・有機EL・農園芸用波長変換資材・バイオイメージング材料などの最先端技術で利用されています。そのような機能性有機色素を作る方法として、近年では、コンピュータを用いた性質の予測(計算化学技術)や、優れた有機合成技術が駆使されています。しかし、機能性有機色素を粉末、薄膜、フィルムなどの固体中で使用する場合、色素分子同士が無作為に凝集・会合することにより、発光色・発光強度などの色素本来の性質が損なわれることが大きな問題点となっています。そのため本研究では、色素分子をナノメートルスケールで整然と並べる技術(分子の自己組織化)を用いることにより、複数種の分子をパズルの要領で並べる技術を開発し、新しい機能性色素を作り出す研究に取り組んでいます。

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代表的な論文

1)J. Am. Chem. Soc. 2015.

2)Chem. Eur. J. 2016.

3)ChemPhotoChem 2018.

4)Chem. Eur. J. 2018.

5)J. Mater. Chem. C 2019.

6)J. Mater. Chem. C 2019. 

 

 

塩ー共結晶連続体に着目した外部刺激応答発光材料の開発

酸―塩基複合体は、プロトン移動を伴うイオン性の“塩”、プロトン移動を伴わない中性の“共結晶”、部分的なプロトン移動を伴う“塩―共結晶連続体”の3状態をとります。これらの状態は、塩基と酸のpKaの差 (⊿pKa = pKa(base) – pKa(acid))に従いpKaルールと呼ばれ、結晶工学や医薬品開発の分野では、化合物の溶解度調整法として認知されています。経験上⊿pKa> 4は塩、⊿pKa< -1は共結晶、-1 < ⊿pKa< 4の領域は、塩、共結晶、塩—共結晶連続体のいずれかとなり、パッキング様式や外部因子も関わり、予測困難な領域となります。
本研究では、pKaルールに着目した網羅的な発光性色素の調製を通じて、外部刺激に応答し、発光変調を示す新しい機能性色素の開発に取り組んでいます。

代表的な論文

1)J. Mater. Chem. C 2019