金属錯体の軸配位子を利用した電解重合膜作製とエレクトロクロミズム

電気的刺激に応答して色彩が可逆に変化する現象をエレクトロクロミズムと呼びます。
エレクトロクロミック材料としては、有機系・無機系ともに多数の報告がなされていますが、有機材料では合成技術により様々な分子設計が可能ですが耐久性に問題があり、無機材料では耐久性は高いですが成形や応答性に問題があります。
有機と無機の長所を合わせて活かすことを考え、金属錯体をエレクトロクロミック材料へと応用する研究に取り組んでいます。

ポルフィリンやポルフィセンの金属錯体は、骨格の周辺置換基だけでなく、金属上の軸配位子も変換することが出来ます。
ポルフィリン金属錯体モデル図

本研究では、軸配位子として電気化学的に重合可能な部位を導入し、電解重合により薄膜を作製することに成功しました。
薄膜作製とエレクトロクロミズム模式図
得られた薄膜はエレクトロクロミズムを示し、電気化学的な刺激に応答して可逆に色を変化させ、さらに1000サイクル以上させてもほとんど吸光度が変化しないほど高い耐久性を有しています。

エレクトロクロミズム写真

Masaaki Abe, Hiroki Futagawa, Toshikazu Ono, Teppei Yamada, Nobuo Kimizuka, and Yoshio Hisaeda, Inorg. Chem. 2015, 54, 11061−11063.