2021年度 先輩メッセージ Part.02

丸山 朋輝

丸山 朋輝
学年:M2(2021年度)
所属研究室:片山研究室

自分が応化分子に進もうと決めたのは、自分で自由に分子を設計し機能性のある材料を作ることができるところに魅力を感じたからです。特に片山研究室は、自分で作った材料を医療に応用するという点が最大の特徴であり、化学だけでなく医学や生物学に関する知識・技術も学ぶことができます。現在自分は、高分子の自己組織化により形成される中空カプセル (ベシクル) に関する研究を行っています。ベシクルはドラッグデリバリーシステム (DDS) のキャリアや人工細胞、人工オルガネラとして利用することができる材料です。このようなベシクルをさらに高機能化するために、その元となる高分子の設計をいろいろと調節し、その自己組織化を制御することで階層性のあるベシクルの作製を目指しています。高分子の設計を変えることで形成される構造体の形態や物性を自由自在に変えることができるところがとても面白く、それを医療に応用することができるところにやりがいを感じています。研究は楽しむもので、楽しくやることが一番大事だと思います。ぜひ応化分子コースで一緒に研究を楽しみましょう。

岩下 皇藏

岩下 皇藏
学年:修士2年(2021年度)
所属研究室:木戸秋研究室

高校生・コース選択生の皆さん。初めまして、修士2年の岩下です。私が応化分子を選んだ理由は学べることの広さです。実際私の現在行っている「iPS細胞由来オルガノイド形成を誘導する足場粘弾性最適条件の特定」という研究は近年再生医療の分野での応用が期待されるオルガノイドと呼ばれるミニ臓器をより安定して作製する条件を細胞培養基材の物性(硬さとか)という観点から特定しようという内容になっています。これを見てわかるように工学部であってもバイオに触れる機会も多く、学部生の授業でも無機・有機化学だけでなく細胞生物学や量子化学も履修することができます。また、応化分子では学部3年生次に大学院の先輩と一緒に論文を読む授業もあり、研究室に配属されてから必須となる論文の読み込み方を学ぶことができます。このように応化分子で学べることを色々書いてきましたが結局のところコース選択生の皆さんも高校生の皆さんも今学んでいることが基礎として大事になってきます。今はこのような情勢のせいで色々大変だとは思いますが程々に息抜きもしつつ頑張ってください。

林 啓太

林 啓太
学年:修士2年(2021年度)
所属研究室:藤ヶ谷研究室
  • 応化分子を選んだ理由。
    久留米高専在籍時に大学へ進学と就職の2択で進路を悩んでいましたが、大学は高専よりも環境が充実していると先輩方から聞いており、研究をしたい気持ちも強かったため応化分子に編入しました。応化分子では研究設備だけでなく教育熱心な先生方にも恵まれており、素晴らしい環境で研究生活を送ることが出来ているので、進学して良かったと感じています。
     
  • 現在の研究概要。
    化学反応を駆使して、カーボンナノチューブというナノ材料の発光特性を制御する研究を行っています。カーボンナノチューブは通信に適した近赤外領域の発光を示すため、将来的には量子通信といった次世代技術への応用を目指しています。
     
  • どんな知識やスキルが身についてきたか。
    専門知識はもちろんですが、多くの研究発表を通じてプレゼン力が身についたと感じています。応化分子では学科内だけでなく、様々な国内/国際学会にも積極的に参加させていただくことができます。自分の研究を分かりやすく論理的に伝えることは簡単ではありませんが、発表を通じて養われたプレゼン力は社会人になっても必ず活きてくると思います。
     
  • エール(高校生やコース選択生に向けて)。
    研究は様々な知識や技術が求められるので、これまでの授業や実験の大切さを身にしみて感じています。高校生や学部生のときに学んだことは何ひとつ無駄にならないので、今ある授業や実験に対して積極的に取り組んでほしいと思います。
     

 

中村 光児

中村 光児
学年:修士1年(2021年度)
所属研究室:後藤・神谷研究室

私は久留米高専から3年次編入しました。当時の私は、どの化学分野に興味があるのか自分自身でも分かっておらず、正直なところ応化分子を選択した強い動機はありませんでした。ただ、応化分子に所属している今は最高の選択をしたと思っています。その理由として、魅力的な研究が多いことと、自分自身が大きく成長できる環境が整っていることが挙げられます。
応化分子では様々な面白い研究が行われていますが、私は効率的に薬物がガン細胞に取り込まれるメカニズムを研究しています。この研究は、新たなガン治療薬の開発に繋がります。このようなバイオに関連した研究も応化分子では積極的に行われています。また、研究室での生活は自分が大きく成長できるチャンスです。具体的には、先生や先輩から手厚すぎるくらいの指導を受けることができます。私の体感ですが、これまでの人生の中で最も自分の能力が向上したと思います。なぜならば、学会を含め研究発表が多いため、研究力やプレゼン力が驚くほどつくからです。一方で、自分が先輩になった時には後輩指導をする機会が得られます。この機会で、自分の振る舞いが相手にどのような刺激・影響を与えるのかを想像する必要があると感じ、研究者としても人としても大きく成長することができると思います。

岡尾 夏海

岡尾 夏海
学年:修士1年(2021年度)
所属研究室:久枝研究室

高専時代に測定機器を借りるために九州大学を訪れた際、学生が熱心に研究に取り組んでいる姿を目の当たりにしました。そこで私もこの一員になりたいと思い、編入することを決めました。
現在の研究テーマは金属錯体を触媒として用いたCO2の活性化です。CO2を活性化して有用な化合物にすることは現在重要な課題となっており、そのような研究に関われることにやりがいを感じています。また、研究を進めるにしたがって合成に関する知識を得ることができ、さらに学内外での発表の機会が豊富なため、発表スキルを少しずつ身につけることができています。
3年次編入では友人ができるか心配していましたが、内部生はみんな友好的で、心配は不要でした。高専であまり触れてこなかった授業で困ったときは大学でできた友人に頼ることもあり、逆に実験のことでは頼られることもありました。このようにお互いを高めあえる友人を得られたことは編入してよかったことの一つです。研究を行ったり、人間関係を広げたりする場として応化分子はとても良い環境だと思います。ぜひ進路の一つとして考えてみてください。