教育について

応化分子(分子生命工学コース)では、講義によって様々な化学分野の知識を習得し、最先端の研究・分析技術を研究を通して身に着けることに加え、学生の皆さんの実力を最大限高めることを目指した独自の教育プログラムを展開しています。
 

教育プログラム

その1.データサイエンス(2年次)

2年次後期(10月~)に「データサイエンス」の講義があります。近年、化学・材料とデータサイエンスの融合領域であるマテリアルズ・インフォマティクスが急速に発展しています。本講義ではそれらの最新動向も踏まえ、化学・材料のためのデータサイエンスを学びます。分子や固体の構造・特性をどの様にデータ化するのか、どの様な機械学習手法が用いられるのか、どの様な場面で威力を発揮するのかなどを学び、データサイエンスの素養を備えた化学人材の基礎を作ります。

 

その2.応化演習(3年次)

  3年次後期(10月~)に「論文の読み方」を修士課程のボランティア学生が半年をかけてしっかり指導します。このプログラムにおいて三年次学生は、修士課程の先輩から論文の読み方だけではなく、パソコンの使い方、プレゼンテーションのやり方についても学ぶことができる良い機会となります。論文の理解度を発表する場として1月に「応化演習発表会」を行います。分子教室教員や院生の前で発表することで学会デビューに向けた第一歩を踏み出すことになります。優秀な発表には賞が贈られます。
 
 
 

その3.大学院セミナー(修士1年~)

分子教室を特徴付ける最も重要なプログラムの一つです。修士課程1年次後期、2年次前期、(+博士課程1年次後期、2年次前期)に分子教室全教員、全学生の前で自分の研究成果を発表します。学会とは異なり、自分と専門を異にする聴衆を前にプレゼンすることは、社会での必要な総合的アピール力を養う場となります。また、大学院セミナーに参加し、専門外の研究を聴講することで、自らを幅広い知識を持つ人材へと導くことになります。発表は指導教員以外の分子教室教員によりきめ細かくフォローされ、指導がなされます。教員が一丸となり、分子教室生全員を育てるのが分子教室の特色です。優れた発表を行った学生にはベストプレゼンター賞が授与されます。 

 
 

その4.総合試験(修士課程)

多くの卒業生が「一番鍛えられた」と挙げるプログラムです。自らが自分の専門外の分野を選択し、自分なりの切り口でその分野の総説を作製し、プレゼンします。オリジナリティーは一朝一夕の努力からは産まれないことを身を持って体感できます。学生は総説冊子作製およびプレゼン準備に、分子教室教員は発表審査や発表後の資料改善指導に多くの時間を割きます。このようなプログラムを通じて「自分の研究しか知らない」人材からの「自分の研究以外も知識が深い」人材へと成長することになります。

 

その5.リサーチプロポーザル(博士課程)

自分の専門以外の分野において、自らのアイデアで研究テーマを設定するプログラムです。単なるテーマ設定に留まらず、提案から予想される困難、解決法、結果を多角的な視点から検証することが求められます。分子教室教員前でのプレゼンの後、担当教員の指導の下、研究計画の再検証を行います。一流研究者に必要な「知識と経験に基づく研究計画」を体得し、社会におけるリーダーとなるために必要な「妥当性のある企画力」を養います。



 

その6.ダ・ヴィンチコース(OSP)

九州大学病院メディカルインフォメーションセンターの医療データや、株式会社トライアルホールディングの購買データ、さらには大気環境や各種統計といったオープンデータなど多岐にわたるデータを用いて、イノベーションにつながる アイデアを発想します。そして、得られたアイディアに基づいて自身の学位研究を立案・遂行します。こうして、多様な知の集約により既成概念を超えるデザイン思考とデータを活用する新しいデジタルトランスフォーメーション(DX)手法を実践・習得します。
日本型オープンイノベーションの取組み

 

活発な研究交流

国内の大学や研究所との共同研究や学生派遣だけでなく、世界中の大学や研究拠点に学生を派遣して研究を通した知識や技術の習得や文化交流を積極的に行っています。



 

応化分子コースで学べる科目一覧

化学を専門とし、物質の構造・性質・反応を原子・分子レベルで理解した上で、原子・分子を設計・操作して新物質の合成や物質の変換およびプロセス開発などを行って持続可能な社会に貢献できる人材を育成します。
 

学部で学べる講義の例

物質科学工学概論第一  物質科学工学概論第二       
有機化学第一 無機化学第一 工業倫理・工業経営(C)    金属材料大意
無機化学第一 物理化学第一 機械工学大意第一 電気工学基礎
応用物理学第一 安全学 工業倫理・工業経営(A) 情報処理概論
有機化学第二 高分子化学第一 分析化学第一 グリーンケミストリー
工業倫理・工業経営(D)    複素関数論 品質管理 有機化学第二
物質科学工学実験第一 生化学第一 物理化学第二  
高分子化学第二 分析化学第二 有機化学第三 専門英語(科学英語)
物質科学工学実験第二 化学工学第二 テクノロジー・マーケティング 応用数理解析
量子化学第二 物理化学第三 生化学第二 分子組織化学
高分子化学第三 生体機能化学 有機化学第四および演習 無機化学第三
物質科学工学実験第三 専門英語(個別テーマ) 触媒化学 分析化学第三および演習
物理化学演習 表面化学 無機化学第四 量子化学演習
大学院では、高い専門性、多様なサイエンスについてのより高度な講義を受けることができます。
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